第二回電王戦の結果から思うこと

はじめてプロ棋士がコンピュータに負けました。

いつかこの日がくるのを覚悟しておりましたが、実際にはショックを受けます。

21世紀は産業革命期の際に肉体的作業で人間を機械が超えたように、頭脳作業も取って代わられるでしょう。

人間はすべての生き物で最強の頭脳を持っていると思っています。

しかし、自分たちが作り上げたものにその地位を奪われる感覚はうれしいものではありません。

 

もちろん、機械に美しい詩はかけないかもしれません。 何かをブレークスルーする力は持てないかもしれません。

ただ、パターン認識能力ははるかに人間を超えます。 私たちもパターン認識で生活していることが多いので、多くの人は何かをブレークスルーすることができません。

変異としてブレークスルーがあるわけですから、機械が何かを作り上げ、それを人間が良しと判断するとそれが芸術となります。

21世紀は機械が人間の世界に綺麗に浸潤して来るのでしょうね。 機械は人間的な善悪の判断を持たないかもしれません。

しかし、効率的な判断は行うでしょう。

いつの頃からか、人間の判断も効率に変容してきています。 倫理的価値は過去のようにも思えます。

効率重視の判断は機械が裏打ちしたものでもありますから、すでに私たちは価値さえも機械化しているのかもしれません。

データベースとネットワークという外部記憶に依存しているのです。

この文章もiPadという機械によって世界にネットワークされています。

この文章も何処かでデータベースとして残っています。 現前しているものは見えても、データベースとネットワークの姿は見えません。

 

これらの影響下にある人間存在のあり方が今後どのように変容するのか?

その辺りをじっくり追って行く必要があると思いました。